シラカンバ(白樺)
Japanese White Birch
Betula platyphylla
「北国の白い木」
| 学名 | Betula platyphylla |
|---|---|
| 科 | カバノキ科 |
| 使う部位 | 枝葉・樹皮 |
| 香り | 葉を湯で戻したときの、青くやわらかい香り |
シラカンバとは?
シラカンバ(Betula platyphylla)はカバノキ科の落葉高木で、日本では本州中部以北から北海道の高標高帯・亜高山帯に分布し、とくに北海道に多く見られます。国外では中国・朝鮮半島・モンゴル・ロシア極東・シベリアに分布します。長野県の県木でもあります。
ヴィヒタという束
フィンランドのサウナで使うヴィヒタ(vihta / vasta)は、白樺の枝葉を束ねたものです。同じものをエストニア語では viht、リトアニア語では vanta、ロシア語では веник(ヴェーニク)と呼びます。ここで注意したいのは樹種です。フィンランドサウナ協会やフィンランド語版の解説によれば、ヴィヒタに用いられるのはヨーロッパシラカンバ(Betula pendula)とヨーロッパダケカンバ(B. pubescens)で、日本のシラカンバ(B. platyphylla)とは別種です。日本のサウナで白樺の枝葉が束ねられるのは、この近縁種による代用にあたります。フィンランドでは夏至から7月上旬に束を作り、2日以内の新しいものを使うのがよいとされます。フィンランドのサウナ文化そのものは2020年にユネスコ無形文化遺産に登録されました(登録記載にヴィヒタへの言及はありません)。
枝葉を束ねたヴィヒタとして使われます。乾かした束を湯で戻して香りを立てる、サウナ室に吊るす、身体に当てる(ウィスキング)など。フィンランド語版の解説では、樺の葉に含まれるサポニンが穏やかな石鹸のように働き、肌の表面のめぐりを活発にすると伝えられてきたとされます。蚊に刺されたあとの不快感をやわらげるとも言い伝えられてきました。日本のサウナでは「白樺」「シラカバ」「ヴィヒタ」のいずれの表記でも見かけます。
国立アイヌ民族博物館の記録では、アイヌは早春に幹を傷つけて流れ出る樹液をそのまま飲み、樺太では発酵させて酒を造ったと伝えられます。樹皮は種々の器や容器を作るのに用いられました。春先に樹液を採る土地があります。白い樹皮は薄く剥がれやすく、アイヌの工芸や北欧の樹皮細工に使われてきました(秋田の「樺細工」はヤマザクラの樹皮を用いる別の工芸です)。
※本ページの記述は各地の伝統・文化の紹介であり、効果効能を保証するものではありません。